貸借対照表の格付けアップは、資産の部では繰延資産から固定資産へ、固定資産から流動資産へ金額をできるだけ下部から上部にもってくることであり、その最上部にある現金・預金をできるだけ多くし、この割合を高くするように決算書を作成することです。
そして、負債の部及び純資産の部は、流動負債から固定負債へ、固定負債から純資産の部へ金額をできるだけ上部から下部にもってくることであり、その最下部にある繰越利益金をできるだけ多くし、この割合を高くするように決算書を作成することに尽きます。
これにより、経営指標の数値(下図参照)が良くなることで、格付けもアップします。

貸借対照法
<経営指標>
項  目 計  算  式 目 安
流動比率(%) (流動資産合計÷流動負債合計)×100 100%以上
手元流動性比率(月) 現金預金÷(売上高÷12) 1ヵ月以上
固定長期適合率(%) [固定資産合計÷(固定負債合計+純資産の部合計)]×100 100%以下
借入依存度(% (借入金÷資産の部合計)×100 60%以下
自己資本比率(%) (純資産の部合計÷資産の部合計)×100 10%以上
経常収支比率(%) (経常収入÷経常支出)×100 100%以上
債務償還年数(年) [借入金(社債含む)-現金預金-(受取手形+売掛金+商品-支払手形-買掛金)]÷(当期純利益+減価償却費) 10年以下

■ 格付けアップに必要な4つの視点

銀行融資の際の“格付けアップ”と“資金繰り改善”は、表裏の関係にあります。

税理士は税務の専門家であり、税理士の決算における目線は、つねに税務署(税務調査)向けの目線で、“格付け”に関する自己査定の中身を詳しく知らないため、格付けを上げるための“資金繰り改善法”や“決算書の作成ノウハウ”を持ち合わせていません。
そして銀行出身者は、自身の経験による銀行交渉などを得意にしながらも、経理や税務の実務経験がないため、格付けを上げるための“資金繰り改善法”や“決算書の作成ノウハウ”がありません。
貸借対照表の格付けをアップさせるポイントは、下記の4つの視点から相互に関係する内容を理解したうえで判断し、それぞれの対応法を実戦することが最大のポイントになります。

● 様々な資金繰りの改善方法を活用して“現金・預金”の残高を多くすること
●“中小企業の会計に関する指針”を活用して“貸借対照表”への計上方法を上手に対応すること

※「中小企業の会計に関する指針」は、法務省・金融庁及び中小企業庁の協力で、日本税理士会連合会及び日 本公認会計士協会などの4団体が、中小企業が決算書類関係を作成する際の指針を明確化するために作成されたものです。
●“税法”などの法令と“自己査定”の内容の違いを活用して“貸借対照表”への計上方法を上手に対応す ること
●“金融検査マニュアル”の内容を活用して“貸借対照表”への計上方法を上手に対応すること
●“自己査定”において“貸借対照表”の資産の中身を“換金性”などの観点から減額されないように対応すること

◆現金・預金の増加法

◆自己資本額の増加法

基礎
改善法
改善法
活用法
対応法
対応法