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資金繰りの基礎
1. 目的
多額の債務超過会社でも、資金が回る限り“倒産”しません。
そして、経営者と従業員の最大の違いは、この資金繰りに対する責任です。
経営幹部のみならず、全従業員が会社の利益と資金繰りの関係を理解することで、日々使っている経費に対する視点も変わってきます。
会社を倒産させないことが経営者の仕事でもあり、そのための資金繰りの基礎を従業員に習得させることが大切です。
2. 資金繰りの流れ
3. 各日数の捉え方(考え方)
*前提条件 :1年=360日 、1ヶ月=30日
(1)売掛金残高日数(基本的な捉え方)
- 決算書からの概算による算出法
<決算書からの概算算出法>
- 当期売上高の1日当たりの金額を算出します。
当期売上高 ÷ 360日 = A - 当期末売掛金残高の日数を算出します。
当期末売掛金残高 ÷ A = 残日数
- 例題(当期末売掛金残高:1,000万円/当期売上高:36,000万円)
- 当期売上高の1日当たりの金額を算出します。
36,000万円 ÷ 360日 = 100万円 - 当期末売掛金残高の日数を算出します。
1,000万円 ÷ 100万円 = 10日
- 決算書(試算表)からの詳細な算出法
- 例題(当期末売掛金残高:1,000万円/掛売上高 当月:700万円/前月:900万円)
- 当月の掛売上高が全額残っていることになるので、30日
- 前月の一部も残っていることになるので、
1,000万円-700万円=300万円
(300万円÷900万円)×30日=10日 - 合計40日(当月分30日+前月分10日)
- 試算表から平均値の算出法
上記2の3ヶ月~6ヶ月分の平均値を活用。
イ.各月の平均からの算出
ロ.総平均からの算出
ハ.上記イ.とロ.を比較検討の上、妥当な方を活用
ロ.総平均からの算出
ハ.上記イ.とロ.を比較検討の上、妥当な方を活用
<月次試算表からの算出法>
- 当月の売掛金 < 当月の掛売上高
当月の掛売上高 ÷ 30日 = A
当月の売掛金 ÷ A = 売掛金残日数 - 当月の掛売上高 < 当月の売掛金 < 当月+前月の掛売上高
前月の掛売上高 ÷ 30日 = A
30日+(当月の売掛金 - 当月の掛売上高) ÷ A = 売掛金残日数
-
締日と入金日からの算出法
・例1.末日締:翌月入金=30日
・例2.末日締:翌々月入金=60日
・例3.20日締:翌月入金=40日
・例4.20日締 : 翌々月入金 = 70日
(2) 買掛金残高日数
上記と同じ考え方です。
(3) 在庫日数(基本的な捉え方)
- 決算書からの概算による算出法
<決算書からの概算算出法>
- 当期売上原価の1日当たりの金額を算出します。
当期売上原価 ÷ 360日 = A - 期末棚卸高の日数を算出します。
期末棚卸高 ÷ A = 残日数
- 例題(期末棚卸高:1,000万円/当期売上原価:36,000万円)
- 当期売上高の1日当たりの金額を算出します。
36,000万円 ÷ 360日 = 100万円 - 当期末売掛金残高の日数を算出します。
1,000万円 ÷ 100万円 = 10日
- 決算書(試算表)からの詳細な算出法
- 例題(当月末棚卸高:1,000万円/売上原価 当月:700万円/前月:900万円)
- 当月の売上原価に対する商品が全額残っていることになるので、30日
- 前月の一部も残っていることになるので、
1,000万円ー700万円=300万円
(300万円÷900万円)×30日=10日 - 合計40日(当月分30日+前月分10日)
- 練習問題
A社の3月決算の商品(棚卸)は、下記のとおりでした。
商品在庫日数は、何日ですか? - 商 品 850万円
- 売上原価(3月) 1,250万円
- 月次試算表からの算出法
<月次試算表からの算出法>
- 当月の在庫金額 < 当月の売上原価
当月の売上金額 ÷ 30日 = A
当月の在庫金額 ÷ A = 在庫日数 - 当月の売上原価 < 当月の在庫金額 < 当月+前月の売上原価
前月の売上原価 ÷ 30日 = A
30日+(当月の在庫金額 - 当月の売上原価) ÷ A = 在庫日数