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教育訓練費の税額控除制度の活用

1.制度の概要

中小企業及び個人事業者等が、損金算入される労務費の額のうちに、教育訓練費額
の占める割合(以下「教育訓練費割合」)が0.15%以上である場合に、その損金算入
された教育訓練費の額の一定割合の税額控除を認める。

2.適用対象法人

青色申告を提出する中小企業者(資本金1億円以下)又は個人事業者等。

3.適用対象年度

平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に開始する各事業年度。

4.教育訓練費の範囲

法人等が、その使用人(役員等を除く)の職務に必要な技術や知識を習得させ、又 は向上させるために支出する費用で、次のような費用をいう。

  1. 法人がその使用人に対して教育・訓練・研修・講習など(以下「教育訓練等」)を自ら行うために、講師又は指導者に対して支払う報酬・料金・謝金及びそのために施設・設備などを賃借する場合の使用料など

  2. 法人から委託を受けた他の者が教育訓練等を行う場合に、その委託を受けた他の者に対して支払う費用

  3. 法人がその使用人を他の者が行う教育訓練等に参加させる場合に支払う授業料・受講料・受験手数料など

  4. 法人が教育訓練等の用に供する教科書・教材などの購入又は製作に要する費用

5.労務費の範囲

給与等、法定福利費(健康保険料など)及び上記4に掲げる教育訓練費をいう。

6.税額控除限度額

  1. 教育訓練費割合が0.25%以上である場合
    損金算入された教育訓練費の額の12%相当額。

  2. 教育訓練費割合が0.15%以上、かつ0.25%未満である場合
    損金算入された教育訓練費の額に「(教育訓練費割合-0.15%)×40+8%」の割合を乗じた額。
    ただし、控除税額がその事業年度の法人税額の20%相当額を限度。

7.適用要件

確定申告書に教育訓練等の実施年月日、内容、参加した使用人名、支出額及び相手 先などを記載した書類を添付。

 

【問】

当社は、社員15名の販売会社(資本金1千万円)です。会社の利益と資金繰りの関係を習得してもらうべく、全社員向けの研修を外部講師を招いて、貸会議室で開催しました。
この場合における税額控除の金額を教えて下さい。
なお、当期の法人税額は100万円です。
【労務費合計】1億円(給与8千万円・法定福利費2千万円)
【教育訓練費】40万円(講師料30万円・会議室料5万円・資料代5万円)

【回 答】

当期の税額控除額は、56,300円です。
≪計算式≫
1.教育訓練費割合
  40万円÷(1億円+40万円)=0.39%
  0.25%<0.39% ※教育訓練費の12%相当額。
2.法人税の税額控除額
  40万円×12%=48,000円
3.地方税の税額控除額(標準税率17.3%で計算した場合)
  48,000円×17.3%=8,300円
4.税額控除額合計
  48,000円+8,300円=56,300円

Q1.教育訓練の対象者に、パートやアルバイトも含まれますか?

A.使用人には、一般的に正社員・契約社員・パート・アルバイト等が該当しますので、適用を受けることができます。ただし、次に該当する者については、その対象から除かれます。
  1. 法人の役員及びその親族
  2. 役員と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
  3. 上記1及び2以外の者で、役員から生計の支援を受けている者
  4. 上記2及び3と生計を一にする親族
  5. 使用人兼務役員

Q2.研修に係る交通費等は、教育訓練費の対象になりますか?

A.中小企業等が、その使用人を他の者が行う教育訓練等に参加させる場合、その他の者 に支払う授業料・受講料・受験手数料など、その他の者が行う教育訓練等に対する対価 が、教育訓練費に該当します。 したがって、貴社が使用人に支給する研修に係る交通費等は、教育訓練費には該当し ません。